今回は一風変わったスーパーヒーロードラマとして注目を集めている「ザ・ボーイズ」の登場人物である各ヒーローを深く掘り下げてみたいと思います。
ヒーローものが大好きでまだ未視聴な方であれば「どんなヒーローが出てくるドラマなの?」という視点で、既にご覧になった方であれば、見終わった映画を語り合うような感じでご覧いただければと思います。
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ザ・ボーイズの世界
各ヒーローを深堀する前に、「ザ・ボーイズ」の世界を簡単に触れておきます。
このドラマの世界は普通に地球なんですが、超能力をもった”ヒーロー”という存在が普通にいる世界です。
そしてそれらのヒーローの中でもヴォートという巨大企業に所属する7人のヒーローは、通称”セブン”と呼ばれが世の注目と名声を集めており、その中で頂点に立つ存在がホームランダーというヒーローです。
ただし、ヒーローといっても、一般的に想像する「正義の味方」とは多少趣が異なり、裏の顔は欲や欺瞞に満ちた、なかなかブラックな存在なわけです。
このドラマはそんなヒーローを倒すべく立ち向かう、普通の人間の集団「ザ・ボーイズ」の奮闘を中心に描いたものです。
- 超強力なヒーロー相手に一般人がどう立ち向かうのか、という視点
- 実はヒーローたちにもいろんな事情があった、という視点
- ヴォートという企業の暗躍などなどが複雑に絡み合い、なかなか奥深いストーリー展開となっており面白いです。
各ヒーローの能力と個人的な感想
では、さっそく各ヒーローの能力を中心にまとめていきたいと思います。今回はセブンの7人のヒーローに絞り、あくまでドラマをみた範囲で把握できたものをまとめます。
各ヒーローの記事後半には一部ネタバレも含みますのでご注意ください。
ホームランダー
- 飛行
- 目からレーザー光線
- 透視(亜鉛性物質を除く)
- 銃で撃たれても
見た目のとおり、DCコミックのスーパーマンをベースにしたヒーロー。マントが星条旗になっているあたりは、マーベルのキャプテンアメリカっぽさもまぶした感じです。
能力もスーパーマンに似ていて、とにかく強いです。
目からレーザー光線といえば、XMENのサイクロプスが思い浮かびますが、威力でいえば彼の比ではありません。なんといってもカッターのように切り裂いてしまいますから。
スーパーマンには”クリプトナイト”という弱点がありましたが、ホームランダーには今のところ弱点らしい弱点は見当たりません。
他のセブンメンバーを率いるリーダーとしての立ち位置ですが、尊敬されているというよりは、恐れられている感じです。
考察と感想(ネタバレあり)
上記で弱点はないと言いつつも、一応ヴォートの副社長であるマデリンの存在が弱みであると思われていました。実際ザ・ボーイズのリーダーであるブッチャーも、そこを拠り所に対決したわけですが、自らマデリンを殺してしまったことからそれも無くなりました。
マデリンはホームランダーの担当としての関わりの他、性的な関係であったり、ホームランダーを赤ちゃんのようにあやす(ホームランダーも甘える)など、慕われる?関係にありました。
親の愛情というものを知らず、研究所で作り出された存在であるため、とにかく歪んだ性格の持ち主で、扱いが難しいですね。
アメリカ軍の中に入って国防を担うという野望も、自身の野望なのか、マデリンに協力するためのものなのか、真意は明らかになっていませんね。
この強すぎる彼が、シーズン2でどういう立ち回りをするのか楽しみです。
ディープ
- 水中で自由自在に活動できる
- 水生生物と会話できる
魚と会話することができるあたりは、DCコミックのアクアマンのようです。
お腹あたりにエラがあるのが妙にリアルです。
他のヒーローはそれなりに戦闘シーンなどで能力をお披露目するシーンがあったりしましたが、ディープはほぼなく、それだけに印象も薄いですね。
やはり活動拠点が一人だけ海の中っていうのは、ストーリー上絡めづらいからかもですね。
考察と感想(ネタバレあり)
スターライトへのセクハラがきっかけで、シーズン1の後半ではセブンからの戦力外として地方に左遷させられたり、なんとも中途半端な立ち位置。
本来であれば”水辺のスペシャリスト”としてその分野に特化しているわけですから、誇りを持てばよいのに、それをマイナス面と捉えてしまっているんですね。
誰からもまともに相手にされず、助け出そうとしたイルカやロブスターも結局死んでしまうなど、裏目裏目をいってしまい、なぜかシーズン1の最終話では全身の体毛を剃ってしまいました。
ここからどう挽回していくか(出来るのか)、シーズン2でその辺見てみたいです。
クイーン・メイヴ
- 脅威の身体能力(パワー、跳躍力、防御力等)
シーズン1第1話の冒頭で、暴走する車を体を張って止めるシーンはインパクトありましたね。このシーンで鋼鉄のようなか身体を持っていることが分かりました。
見た目はDCコミックのワンダーウーマンそっくりですが、ワンダーウーマンに飛行能力やテレパシーが有るのに対し、クイーン・メイヴには無さそうです。(実際にシーズン14話のハイジャック事件の際は最後飛行機から脱出する際ホームランダーに抱きかかえられていました。)
身体能力だけであれば、他のヒーローもそこそこ強力なので、何かメイヴならではの特殊能力が欲しいところ。
シーズン2でもっとその辺りが明らかになればいいですけど。
考察と感想(ネタバレあり)
ハイジャック事件では最後まで乗客を救出しようと必死に動いたり、スパイと疑われたスターライトをかばったりと、曲者揃いのセブンの中ではまともな思考回路をしていますが、組織に長年いることで染まってしまったのか、不満やモヤモヤを内に抱えてしまっている傾向があります。
こういうの一般社会でもよくありますよね、会社とか…。
セブンの中では、ホームランダーが耳を傾ける唯一といっていい存在なので、彼女の動き次第で物語も変化していくと思われます。
Aトレイン
- 超高速移動
能力的にはよくいる高速移動キャラ。DCでのフラッシュ、マーベルではクイックシルバーですね。
確かに速いんだけど、強力な敵が登場しない本作品では、もっぱらその能力を何かの運搬に利用しているという…ヒーローである必要があまりないんじゃないでしょうか。
割とストーリーの鍵を握る人物でもあり、とにかく自分が一番大事、というあまり好感を持つことができないキャラです。
考察と感想(ネタバレあり)
なんといってもシーズン1第1話の冒頭、主人公ヒューイの恋人ロビンに衝突し、液体レベルにまで粉々にしてしまったシーンは、インパクト大でした。
物語は、Aトレインに復讐したいヒューイを軸に進んでいくことになります。
Aトレインの能力でよく分からないのは、耐久力は弱め、というもの。
というのも、ザーボーイズに登場するヒーローは総じて肌が固く、銃で撃たれても死なない(ホームランダー、クイーンメイヴ、トランスルーセント、スターライト)のに、Aトレインは足を棒で思いっきり叩かれて結構な重症を負っているのです。
この辺りのサジ加減がよく分からない。肌が固いっていうのは、そういう特殊能力を持っているキャラ限定にして、メリハリをつけた方がいいのになぁと個人的には思います。そう考えるとAトレインの設定の方がまともなのかも。
そしてAトレインは、物語の根幹をなす”コンパウンドV”という薬物の常用者であり、運び屋です。
コンパウンドVとは、人間を能力を付与する薬物。能力者とは自然発生的に生まれると思われてきたが、実はヴォート社が薬物により生み出してきた存在。
ホームランダーによって、テロリストにもコンパウンドVが与えられ、テロリストの能力者が生まれている。
とにかく高速で移動できるので、ホームランダーの”パシリ”と化しています。上述のテロリストにコンパウンドVを届けたのもAトレインでした。
それでも、そういった役割を担えることでセブンの一角を占められたのかもしれませんが、同じ高速移動の能力を持つ新人(ショックウィーブ)が現れたことで、薬物に逃げ身体を壊していくことになります。
例えるなら、会社で上役にいいように使われているも立場は守られていた…が、その唯一自信が持てる領域に、更にイキのいい新人が現れお払い箱になりそう…そんな存在といえるかもしれません。
トランスルーセント
- 透明になれる
- 硬い肌
身体を透明にする能力を持っているほか、非常に硬い肌を持っています。一応透明になれる原理は、皮膚を炭素系メタ物質に変化させ光を捻じ曲げ、身体を透明に見せる…という設定がなされています。
ヒーローもので透明というと、ファンタスティックフォーのメンバー、インビジブルウーマンがそうですね。
基本的に服は透明にならないので、だいたい裸でいます。そして女子トイレへの出没率も高いので、どうしても変態チックなキャライメージが先行してしまいます。
考察と感想(ネタバレあり)
一番初めにザ・ボーイズのメンバーと戦闘になり、倒されたヒーローでもあります。
一番手ということもあり、ザ・ボーイズとの戦闘も丁寧で説得力ある描かれ方をしています。
- 血を吹きかけられ姿が露呈することで殴られる
- 炭素系素材は電気に弱いという特性を利用される
- 肌が固く銃や爆弾も受け付けないため、肛門から爆弾を入れて爆破
後に子どもがいることが後に分かり、直接手を下したヒューイを動揺させます。
ブラック・ノワール
- 武器を使った戦闘
- ピアノ
- 茶道
漆黒のスーツとマスクに身を包んだ、謎めいたヒーロー。シーズン1では一言もしゃべるシーンがありませんでした。スターライトがあいさつしてもスルーです。
ザ・ボーイズのメンバー、キミコと戦闘になりましたが、その戦い方はスーツに仕込まれたナイフなどの武器を駆使したもので、特殊能力的なものは見られませんでした。
戦闘スタイルやビジュアルは、バットマンを彷彿とさせますね。
シーズン1第6話ではお茶会でお茶を立てていたり、最終話ではパーティで流麗なピアノを披露するなど、そのキャラとはミスマッチな特技を披露しています。
まだまだ、能力も強さも考えも未知数な存在。
スターライト
- 電気を集めて放出
- 身体を光らす
- コンクリート壁を素手で撃ち抜く
- 銃で撃たれても傷つかない
幼いころからセブンのメンバーになることを夢見て、オーディションで無事メンバーとなったヒーロー。
壁を素手で撃ち抜いたり、自動車を持ち上げたりとそのビジュアルからは想像つかないパワーを有するほか、体を発光させ目を眩ませる、手から電気を放出するというかなり強い能力があるキャラです。
また銃で撃たれても死なない、というのも意外なポイント。電気なら電気を扱うキャラで特化させるといいのに。
考察と感想(ネタバレあり)
実際セブンの中に入ってみると、想像していたものとのギャップに戸惑い、シーズン1最終話ではセブンと対立しているザ・ボーイズ側に加勢します。
言ってみれば優等生キャラ。曲がったものは受け入れられず、常に自分の信じた道を歩むなど気が強い面があります。
人間的にも真人間で好印象な人物ですね。
セブン側と表立って対立した今、シーズン2ではどのように立ち回るのでしょうか。(命を助けられたAトレインが戦ったことを話さない可能性もありますね。)
原作との関連性
ザ・ボーイズは原作コミックからドラマ化されたものですが、キャラクターやストーリーはなかり改変されています。
でも、ポイントとなるシーンはそのまま踏襲されているものも多くあります。
例えば、ヒューイの恋人ロビンがAトレインに衝突した際、ヒューイがロビンの両腕を握ったまま立ちすくむシーン。
ヒューイのビジュアルはどちらかというと、フレンチ―って感じですね。
ストーリーが気になる方は、原作を先に読み、違いを楽しむのもいいかもしれません。
まとめ
ということで、セブンのヒーローをクラスの生徒に例えると
- ホームランダー
→絶対的リーダー - ディープ
→空回り気味の浮いた存在 - クイーン・メイヴ
→ヤンキー女子(ただし根は優しい) - Aトレイン
→パシリ(リーダーの腰ぎんちゃく) - トランスルーセント
→変態 - ブラック・ノワール
→寡黙キャラ - スターライト
→優等生
セブンというたった7人の組織の中に、多様な関係性を盛り込んでますね
シーズン1では、恋人を失ったことに対する復讐がメインテーマでした。復讐はまだ完結していないうえに、マデリンというキーを失い混沌としてストーリー展開の中、シーズン2ではどのようなテーマに変化していくのか、その辺りも見どころでしょう。