2016年から始まったマイナンバーの運用ですが、最近マイナンバーカードの取得率の低下が話題になっています。
また、反対に今後予定されるマイナンバーカードの利用拡大策についてもニュースになっているところです。
このように正反対の内容が話題になっているマイナンバーカードですが、その取得は意外と簡単っていうのをご存知でしょうか?
今回はマイナンバーカードをめぐる最近の動きを押さえながらも、マイナンバーカードの取得方法をご説明いたします!
今後メリットが広がっていく可能性が高いですので、この機会に是非ご検討してみてはいかがですか
この記事で学べること
マイナンバーカードに関する最近のニュース
まずは最近報道されたマイナンバーカードに関するニュースを通して、現状を把握していきましょう。
マイナンバーカード普及率12.8%止まり 来年から更新時期(2019/03/18)-東京新聞
https://www.tokyonp.co.jp/article/politics/list/201903/CK2019031802000124.html
【要約】
政府は様々な行政サービス(国税電子申告や子育て関連など)をネット申請できるよう法案を提出しているが、サービスを利用するために必要な肝心のマイナンバーカード普及率はいまだ12・8%と低調。
ニッセイ基礎研究所の清水仁志氏によると、カードの普及は運転免許証のように生活に必要と認識されるかどうかにかかっている。使い道が少ない現状では安全性への懸念が壁になり、カードを持ちたいと思いにくい、と述べている。
政府がマイナンバーカード取得「義務化」へ、追加入札5500万枚の真意(2019/06/25)-日経XTECH
https://tech.nikkeibp.co.jp/atcl/nxt/column/18/00001/02446/
政府のデジタル・ガバメント閣僚会議において、今後のマイナンバーカードの利用促進に関する方針が打ち出された。
この方針を受け、カードを発行する地方公共団体システム機構がマイナンバーカードを作る会社3社に合計5500万枚の入札公告を出した。カードの交付枚数は2019年5月末時点で約1703万枚なので、この数字はこれまで発行されたカードの3倍程度となります。
つまり、一時的にカードの不足が見込まれると考え発注されたもののようです。
キャッシュレス決済でポイント上乗せ マイナンバーカード取得者を対象(2019/09/03)-産経新聞
https://www.sankei.com/politics/news/190903/plt1909030010-n1.html
政府はマイナンバーカード取得者を対象にキャッシュレス決済のため事前入金すると国費でポイントを上乗せする施策「マイナポイント」を導入する方針を決定。
マイナンバーカードの取得率は現在13・9%だが、マイナポイント制の実施などを通じて令和4年度までに普及率100%を目指している。
取得に二の足を踏む理由
ここまで取得率が低いと報道されているマイナンバーカード。その主な理由は以下の3点に集約できそうです。
- メリットを感じない
- 正直めんどくさい・よく知らない
- 個人情報面など管理が大変そう
①メリットを感じない
正直私もマイナンバーカードを取得済みですが、実は一度も使用していません。
後記でも触れますが、色々と利用できる場面はありますし、広がっていることは確かです。しかしすごいメリットかというとそうではないし、マイナンバーカードでなくても出来ることばかりです。
普及には、今後いかに便利なサービスを導入できるかにかかっていますね。
②正直めんどくさい・よく知らない
別の言い方をすると「興味ない」…でしょうか。
ちゃんとメリットがあれば、自然と注目も集まるし、多少手間がかかっても申請するはずです。つまり…
めんどくさい > メリット
の状態なわけですね。結局に①につながっている感じです。
ただし、申請自体はすごく簡単ですし、今後メリットも拡大してくればこのあたりの理由は減少してくるのではないでしょうか。
個人情報面など管理が大変そう
「マイナンバーを知られたら大変!!」マイナンバー制度が始まってから、とにかくナンバーの漏洩に関するリスクは色々叫ばれているところです。
ところが、ふわっとした危機感はありますが、具体的にどんなリスクがあるかをあげようとしてもそんなに出てこないのではないでしょうか。
こちらのサイト「情報科学屋さんを目指すメモ」で、その辺りの疑問を解消してくれています。
確かにマイナンバーを知られないより、知られた方がリスクといえますが、それはいくつかの鍵の一つが盗まれただけで、それだけでは悪用できない、と説明されています。
またマイナンバーカードについては、そもそも顔写真が付いているためなりすましは難しく、ICチップについてはそもそもプライバシー性の高い情報は記録されませんし、利用には暗証番号が必要です。
つまり、きちんと管理するのは当然としても、必要以上に心配する必要はなさそです。
マイナンバーカードを紛失したら?再発行までの手続き・必要書類を解説
マイナンバーカードのメリット
さて、ここからはもっと前向きな話をしますよー。現在受けられるメリットと今後想定されるメリットをそれぞれ説明します。
現在のメリット
現在の実際に受けることが可能なメリットは次のとおりです。
- 本人確認の身分証明書として
- 行政手続きのオンライン申請(マイナポータル)
- コンビニなどで証明資料の取得
- 自治体ポイントの取得でお得にお買い物
①本人確認の身分証明書として
マイナンバーは社会保障や税金関係の手続きを行う際に提示する必要があります。例えば、年金や雇用保険、生活保護や児童手当、確定申告などです。あとは、金融機関での口座開設やパスポートの新規発行でも同様です。
マイナンバーの提示とともに、本人確認を行う必要がある場面ではマイナンバーカード1枚で手続きが完了します。
②行政手続きのオンライン申請(マイナポータル)
マイナポータルは政府が運営するマイナンバー用のオンラインサービスで、様々な行政サービスを受けたり確認したりすることができます。
詳しくはこちらをご参照ください。
e-Taxによる確定申告等も行えるため、上手く利用すれば手続きの負担を軽減できるため便利なサービスだと思います。これを利用するために必要なものは次のとおりです。
- マイナンバーカード
- パソコン
- ICカードリーダーライター(またはスマホ)
ICカードリーダーとは次のようなものです。このICカードリーダーライターを準備しないといけないのも、ちょっとしたハードルになっている気もします。
マイナポータルにログインするもう一つの方法は、カードのQRコードをスマホで読み取ることですが、今のところAndroid端末しか対応していません。
しかしiPhoneでも2019年の秋頃に対応する(OSがiOS13にアップデートされることで)ことが噂されています。iPhoneへの展開によりマイナポータルの活用がより一層進むのではないかと思います。
iPhoneでマイナンバーカード読み取りは可能に…「無名の大器」マイナポータルはメジャーになる?
iPhoneでのログインする手順の記事はこちら
③コンビニなどで証明資料の取得
マイナンバーカードがあれば、コンビニで住民票や印鑑登録証明書等を取得することができます。
日中仕事などで役所になかなか行けない人にとっては、便利なサービスではないでしょうか。しかも私の住んでいる市では、通常の方法で取得するよりも手数料が安くなっています。
- 住民票の写し 300円 → 150円
- 印鑑登録証明書 300円 → 150円
- 課税・非課税証明書 300円 → 150円
- 戸籍事項証明書 450円 → 250円
④自治体ポイントの取得でお得にお買い物
クレジットカードや銀行を利用して付与されたポイントを、”自治体ポイント”に交換することで、地域の商店や専用のオンラインショップで買い物ができるというものです。
つまり、様々な場所で付与されるポイントを集約して、買い物などに有効活用できるようにしたものです。ちなみに自治体ポイントは1ポイントが1円です。
詳しくはこちらをご参照ください。
今後予定されるメリット
次は今後予定されている活用方法です。期待したい!!
- キャッシュレス利用によるポイント上乗せ
- マイナンバーカードの健康保険証利用
①キャッシュレス利用によるポイント上乗せ
冒頭の新聞記事でも触れたように、マイナンバーカードの利用拡大策として「マイナポイント」というポイント還元策が検討されています。
これはマイナンバーカード取得者を対象に、キャッシュレス決済のための事前入金に対してポイントを付与するもので、ポイント率等の中身はこれから検討されます。
そしてこの施策は消費増税の景気対策としての側面もあるものと思われます。
なぜなら、この施策の開始時期は2020年7月からで検討されていますが、この開始時期は、消費増税の景気対策である”5%ポイント還元施策”の終了に引き続いて行われる形だからです。(5%ポイント還元施策:増税後の9か月感(2019/10~2020/06)
②マイナンバーカードの健康保険証利用
2021年3月から、マイナンバーカードのチップ部分に健康保険証の機能を持たせられるよう検討が進められています。
今の保険証が一律切り替わるわけではなく、マイナンバーカードでも保険証として使えますよ…というものですね。
これは医療保険事務の円滑化のために、「オンライン資格確認」を導入したいことが目的の一つとしてあるようです。
取得方法
そんなマイナンバーカードですが、取得方法自体はとても簡単なのです。
取得方法は次の4種類
- 郵便による申請
- パソコンによる申請
- スマートフォンによる申請
- まちなかの証明写真機による申請
いずれの方法も簡単ですが、今回はぽそこんによる申請方法をご案内します。
- マイナンバーカード総合サイトを開く
- スマホ等で顔写真を撮り、PCに保存
- メールアドレスを登録
- 登録したメールアドレス宛に通知される申請者専用WEBサイトにアクセスし、撮影済みの写真を登録
- その他の申請情報を登録
- 申請完了
- 申請から概ね1か月後に市区町村から交付準備が整った旨の通知が到着
- 受け取りに行く
持参品:交付通知書(はがき)、通知カード(これは回収されます)、本人確認資料(運転免許など)、記参照)
※この際、4桁の暗証番号も設定しますから、事前に考えておきます。
まとめ
マイナンバーカードの普及状況から、メリット、そして取得方法についてご説明しました。
マイナンバーカードにどれだけのメリットを求めるかは人それぞれかと思いますが、今後メリットや利用場面が増えてくるのは確かなようです。
そして、余裕があるようであれば、そもそもマイナンバーは何のために、そしてなぜ政府は取得率を上げたいのか…あたりまで掘り下げると、もっと見えてくるものもあると思います。
この記事では、とりあえず取得自体は簡単ですよ、ということをお伝えできればよいかなと思います。