先日、探偵ナイトスクープの局長を約19年間に渡り務め上げてきた西田敏行さんが、2019年11月22日の放送回をもち番組を退くことが発表されました。後任の局長はダウンタウンの松本人志さんです。
西田局長といえば、感動系の依頼回に涙する姿が定番であり名物でもありますが、今回の降板理由として、自分の代になってから感動系の依頼が増えたことをあげています。
「でも、僕が局長をやりはじめてたまたま感動して泣いてしまったことをきっかけに、どんどん依頼内容に感動系が増えていってね。渇いた笑いと濡れた感性を50:50にして進めていきたかったけど、僕の場合、濡れた感性のほうが多くなっちゃった(笑)。軌道修正していかないとこの番組のコンセプトが薄れるという危惧があったので、ぼちぼち退くべきだなと」
引用:関西を遊ぶニュースサイト Lmaga.jp
今回は西田局長がナイトスクープを後にする節目として、西田局長が涙した感動回を私カフェランが厳選して紹介します。感動するお話が大好きな方の参考になれば幸いです。
探偵ナイトスクープ 感動回5選
亡き夫の味を求めて
依頼者は3週間前に旦那さんを亡くしたばかりの奥さん。
旦那さんは、タイで本格的な修行後、岡山県内で”カオマンガイ”の専門店を営んでいましたが、急性心筋梗塞により帰らぬ人となりました。
突然のことで悲しみに暮れていた依頼者は、ふと、亡くなる前日に仕込んでいたカオマンガイのタレが冷蔵庫にあることに気づきます。
タレのレシピを知っているのは亡くなった旦那さんのみ…残されたタレをもとになんとかして味を再現して、亡き夫の面影が残るお店を再建したいという依頼です。
この依頼の担当は橋本探偵ですが、味を再現するといっても素人にはハードルが高すぎる課題。そこでまずは情報収集として料理業界誌の編集部へ聞き込みします。
そこで音楽でいう”絶対音感”に相当する”絶対味覚”の持ち主を紹介されます。その料理人が創作料理「Genji」を営む元川シェフ。
まず奥さんが「おそらくこの組み合わせ」…といって出してきたタイの4種類の調味料(酢や味噌、黒蜜など)とショウガを均等配分で調合するところからスタート。
そこから試行錯誤の連続になるわけですが、この元川シェフは本当にすごい!
奥さんが最初に出した情報に含まれていないニンニクを加えたり、醤油の要素がないからとタイの醤油を加えたりと、一つずつ味を調えていきます。
味見をするたびに近づいてはいきますが、それでもまだなにか違う。悩むその場の全員…元川シェフはもう一度残されたタレを味わいます。
「和の要素が感じられる」…といって日本の醤油を手に取ります。
奥さんから「日本のは使っていない…」という言葉にも関わらずタレに加え、完成品を奥さんに味見してもらいます。その場面が冒頭画像の「この味」という言葉とともに涙するシーンです。
きっと旦那さんの思い出がフラッシュバックしたのだと思います。
そして元川シェフの「この仕事をやってきてよかったと再認識しました」という言葉に共感しつつも「当然、ウチのメニューにもなるということをご理解いただいて…」という言葉にはその場のみんなが爆笑。
その後、以前の常連さんや三人のお子さんに、完成したばかりのタレを使ってカオマンガイを披露。「あ、この味」「すごいおいしい!」といった声があがるとともに、お子さんの目が笑顔に満ち溢れていたのが印象的でした。きっとお父さんに逢えた気持ちになったのではないでしょうか。
お店もまもなく再開できるという結果報告でした。
幼稚園児、自転車で伊勢へ
主役は5歳の幼稚園児やすたかくん
自転車が好きでこれまで、これまでにも自転車の移動距離を徐々に伸ばし、ついには30km先の公園まで移動することができたそうです。
そして今回、三重県伊勢に住むおじいちゃん、おばあちゃんの家まで、探偵さんと一緒に自転車で行きたいとの依頼
果たして、5歳児が達成できるのか、という依頼です。
まず大阪から三重県伊勢まで、距離にして160km以上。自動車でも4~5時間かかる距離です。それだけの距離を5歳の幼稚園児が自転車で移動できるのか、という単純な疑問がありましたが、終わってみれば大感動!2本分の枠を使った(ナイトスクープは通常3本だて)長編依頼となりました。
やすたかくんは、5歳児らしい元気な関西の男の子といった感じで、田村探偵と一緒に出だしは颯爽とスタートします。
序盤は田村探偵とおしゃべりしながら、中でも「道だけはちゃんと調べといてな、でも一番大事なのは「いのち」や、二番目は「道」、三番目は「ケガしないで帰ってくること」
なんていう大人顔負けのセリフまで言っちゃう、余裕しゃくしゃく状態。
ただ、30km付近を過ぎたところで、「手が痛い」「膝が痛い」としだいに不調を訴えてくるようになります。そして夕方付近には「もう無理やねん、限界やねん」と弱音も。
同行した整備士や整体師さんのサポートを受けながらも、なんとか64kmを走破したところで初日を終えます。
そして、2日目。やはり序盤は調子いいですが、峠の坂道が続くと疲れが目立つように。それもそのはず、「週八でバスケやってる俺でもしんどい」という田村探偵の言葉からも分かるように大人でもきつい距離、勾配です。
それを幼児用の自転車で走るのですから、体感の距離は大人の数倍でしょう。
それでも終盤、泣きながらもあきらめずに走るやすたかくんを、田村探偵も必死に励まします。そしてついに伊勢の目的地に近づいたところで遠くから「やすたか~~」の声が聞こえます。
それは事前に伊勢で待機していたお母さんの声でした。お母さんが泣きながら駆け寄り、抱きしめたシーンが冒頭の画像です。我が子のがんばり、成長がうれしかったのだと思います。
最後感想を求められたやすたかくんは、一言「いい」と返します。
実際、VTR明けに西田局長と一緒に号泣していたざこば師匠の「俺は情けない」という言葉。こんな小っちゃい子ががんばっているのに、大人ががんばらんでどうする!…そんなメッセージと受け取りました。
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イクちゃんに会いたい
依頼者は今回の主人公の奥さん。
主人公の男性は、幼いころイクちゃんという父の恋人に育てられました。ある時、父と恋人が分かれる際どちらについていくか選択を迫られたそうです。
普段めったにモノを買ってもらうことのない父から「お父さんについてきたらゲームボーイ買うちゃる」の言葉につられ父を選びます。
その時のイクちゃんが泣き崩れた姿が目に焼き付いているそうです。
結婚して子の親となった今、この子を実の母ではなく「イクちゃんに見せたい」というつぶやきを聞いた奥さんは、是非会わせてあげたい、という依頼です。
イクちゃんの所在を知るため、石田探偵と奥さんが、男性の父に会いに行きます。
男性の父は実に結婚を5回、籍をいれていなければもっと…というプレイボーイ?ぶりですが、そんな父でも唯一頭があがらないのがイクちゃんだそうです。
イクちゃんの直接の住所は分からないが、イクちゃんの兄弟が務めるスーパーの住所は分かるとのことで、さっそくそちらに向かったところ、なんと今でも弟さんが勤務しており、姉(イクちゃん)は元気であることが分かります。
その事実を知った男性の反応が冒頭の画像です。
さっそく仕事帰りのイクちゃんを自宅前で待ちます。そして現れたイクちゃん。声を掛けますがすぐに分かってもらえません。
それでも話しているうちに気づいたイクちゃんは絶句します。その後「入る?」という言葉とともに二人が自宅に入ったところで、探偵と奥さん、奥さんのご両親が後を追います。そこで詳しく話を聞くことに。
ここでイクちゃん号泣、男性も号泣、奥さんも号泣、おまけに奥さんのご両親も号泣。で石田探偵も泣き声…つまりみんな泣くという展開。
イクちゃんの言葉で印象深かったのが、「幼稚園の(とき)…手放したから」というもの。
実は、別れて3年後くらいに一度だけ会うことを許されて、一緒に遊園地に行ったことがあり、その時に「ああ、もうこれで会えるのが最後」という想いを持ちながら、何枚もの写真を撮り、それを今でも大事にしていたそうです。
最後は、石田探偵から「お父さんには会いたい」の質問には、即効で「ヤダ」と。ナイトスクープっぽく終わりました。
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